Life Itself

生活そのもの

2017/12/20

会社の同僚が先週末台湾旅行に行っていて、昨日太陽餅というお菓子を土産としてもらった。

太陽餅は台湾中部の台中市の伝統菓子である。

 

今年の2月28日に台中に行った。来年も同じ日に行くつもりでいる。この2・28という台湾にとって(そして日本にとっても)歴史的に深い意味を持つ日に台湾に行くということについては、今年一緒に行った友人が大きな意味を感じていて、台北から台中に行くバスの車中の中でガイドさんが話していた政治的な内容と、その友人から聞いた話によって、僕も改めて来年の2・28に台湾に行きたいと強く願っている。

 

偶然か、それとも2月以降、無意識下でずっと台湾のことが頭の中にあったのか、つい先日エドワードヤンの「恐怖分子」を見たばかりで、また昨日「クーリンチェ少年殺人事件」のBlu-rayを購入した。どちらも台湾が舞台の映画である。「クーリンチェ少年殺人事件」については4時間の映画なので、今年中に見ることができるかはわからない。

 

これまで台湾には計3回行ったことがある。1回目と2回目はショートステイで、台湾の家庭にお世話になった。いずれも台中だ。父が所属しているロータリークラブが台中のロータリークラブと姉妹クラブであることから、ほぼ毎年お互いのロータリアンが訪問しあっている。今年も含めて、その一環で台中に行っている。1回目は中学2年の時、2回目は高校1年の時だった。どちらも1週間ほどの日程で行ったと記憶している。

 

街としての台中の印象というのは行くたびに変わるが、台中(台湾)の人々に対する印象は一貫して変わらない。一般化して語ることはできないけれど、少なくとも僕が台湾でこれまで接してきた数百人の人々は、とても親切で友好的でおもてなしの仕方が素晴らしい。台中のロータリアンが日本にくる時にはどれほどおもてなしできているのかよくわからないが、日本のロータリアンが台湾に行く時には圧倒されるほどの歓待を受ける。今年の訪台においては、初日にホテルの地下の宴会場で交流会のようなものが行われたのだが、日本のロータリアンがホテルに着くや拍手の音が聞こえてきて、螺旋状の階段を降りながら宴会場に向かうと、宴会場のドアの前に並んでいた台中のロータリアンが拍手で迎えてくれていたのだった。その並んでいた台湾のロータリアンは宴会場に入る日本のロータリアン一人一人に対して目を見て歓迎の意を示しながら握手をしてくれた。宴会が始まると、座っている席へ次から次へと人がやってきて、お土産を渡してくれる。大きめのトランクの半分以上がお土産で埋まった。お土産の後は、乾杯につぐ乾杯。台湾のロータリアンは必ずそれぞれのテーブルを回って乾杯しにきてくれる。

 

今回、個人的に付き合いのある台中ロータリアンの家族の家に招待されたのだけれど、最上級の台湾茶でもてなしてくれて、自身で設計されたという家の隅々まで案内してくれた。こちらが感謝しなければならない立場であるのに、来てくれてありがとうと言って、最後にまた台湾茶のお土産までくれた。このご夫婦は日本語も英語も全く話すことができないのだけれど、LINEの翻訳アプリを使用してどうにかコミュニケーションをはかってくれようとしてくれた。こちらもグーグル翻訳を駆使して何とか返答をしようとしたが、翻訳アプリを通した日本語ではなかなかわからないところも多くて、お互いの言いたいことが完全に伝わっていたとは言い難い。だけれど、言語を通してコミュニケーションができないからこそ、そのもどかしさを伴って彼らの温かい気持ちが伝わってきて、一緒に訪れた父も友人も心から感激しているようだった。

 

来年は初めてロータリーを通さずに台湾に行くことになる。おそらく台中には行かずに、台北のみの滞在になる。これまでのように台湾の方々との交流はないかもしれない。それでも、台湾に行くことには大きな喜びがある。現地の食事も美味しいし、見るべきところも多いが、それはどうだっていい。台中の人々を通じて感じた温かみの端にでも触れることができれば、それだけで行く価値があると思っている。