Life Itself

生活そのもの

折坂悠太@サンセット

サンセットライブ@糸島へ行ってきた。すべては折坂悠太を観るためである。来月の独奏のライブは既にチケットを購入しているが、今回は合奏ということで、昨年にフジロックに行きながら見ることができていなかったこともあって(昨年時点では折坂悠太のことを知らなかったのだ)、今回のサンセットどうしても行きたかった。

ただ、この数日間妻が体調を崩していたため、行けるかどうか今朝になるまで分からなかった。僕が何度も繰り返し折坂悠太の『平成』を聴いていると、妻もハマり、今回は娘を連れて3人でライブに行くことにしていた。妻としても、できるかぎり参加したかったのである。娘は折坂悠太を見ている間だけ、会場内の託児所に預けるにした。

今朝起きると、妻は何とかライブに行けそうとのこと。 あと心配なのは、天候のことだけだった。だが、その天候もどうやら大丈夫そうだった。念のためリュックの中にレインコートを入れ、車で会場へ向かった。

会場周辺はかなり混んでいて、駐車場へ車を入れ、会場に着くまでに30分以上は時間がかかった。かなりの炎天下である。妻が日傘を持ってきていたので、会場に入るまでの間は日傘で娘を守り、会場に入り娘を託児所に預けてからも暑さは和らぐことなく、どんどん気温と日差しの強さは増していった。僕はこんなに暑くなると思っていなくて、当初雨の予報だったしいい感じの気候だろうと思って帽子を持って行かなかった。会場内に入って日傘をしまってからは暑さをしのぐものがない。仕方がなくタオルを頭からかぶることにした。会場にいるのは長くて4時間程度である。きっと何とか耐えることができるだろうと思っていたが、いまキーを叩く手を見ると日焼けで真っ赤になっている。鼻も真っ赤になっているし、ヒリヒリして痛い。

折坂悠太の合奏ライブは素晴らしかった。ライブのためにサンセットに行ってよかった。

音出しではRadioheadの『High and dry』をやっていたのだが、折坂悠太が歌うRadioheadはすごく良かった。この『High and dry』の感じで緩やかにライブは進かと思っていたら、折坂悠太はとてもエネルギッシュにライブをやった。煽って盛り上げていた。唄い、雄叫び、踊りまくっていた。とくに『夜学』はすごかった。

1つ前のシングル『抱擁』は、今日やった中では一番リズムや楽曲の雰囲気が緩かったように思うが、その緩さは薄い絵の具でサーっと描いたように曲が終わった後もしばらくは揺蕩っていて、心地よい完全な静けさが訪れたと思うと(僕の記憶が正しければ)最新曲である『朝顔』が始まった。『朝顔』は初めて聴いた時はこれが折坂悠太なのかと思い少し驚いたが、ライブで聴くと、ほかの楽曲からも浮くことはなく、音源として聴くよりも何倍も良かったように思う。

最後は『さびしさ』である。フジロックの映像で何度も観た『さびしさ』だが、生で観る『さびしさ』は格別であった。ライブはやはり映像を見るだけではわからない。音楽は、ライブは体験である。折坂悠太を、『さびしさ』をライブで体験できたことは幸せだった。

その後、中村佳穂を観ようと思っていたのだが、妻が少ししんどそうにしていたので、海の方へ行ってゆっくりすることにした。足先だけ海に入ったり、砂浜で少しゆっくりしていると妻の体調が少し戻ってきたのだが、中村佳穂のライブではなく、折坂悠太が出演するラジオの公開収録を観に行くことに。 公開収録が始まる前に折坂さんに質問があればとスタッフの人に聞かれ、『飛行機嫌いのVan Morrisonを観るためにイギリスまで行く予定はありますか』と言ったところ、その質問が収録中に採用された。折坂悠太は行く予定はないがいまのところないが行きたいと言っていて、先日、折坂悠太のライブに来た人がVan Morrisonのライブを観に行ってきたとのことで、そのお土産としてVan MorrisonのTシャツをもらったというエピソードを話していた。

ラジオが終わると託児所まで娘を迎えに行き、ネバヤンを横目に観つつ、帰った。

結果的に本当に折坂悠太だけのサンセットライブになったが、何の後悔もない。最初の折坂悠太体験だ。妻と娘と一緒に行くことができて、きっと忘れることのない1日になったと思う。