Life Itself

生活そのもの

ハイハイするまでの過渡期

数日前の大安の日、雛人形を出した。
 
ここ数日の間にまた赤ん坊はぐっと成長したように感じている。
まだハイハイするまでには至っていないが、ハイハイしたくてたまらない感じが伝わってくる。最近では四つん這いの状態であることはほとんどない。四つん這いの状態から手と足を伸ばし、お尻を突き上げてヨガでいうところのダウンドッグや、そのままお尻を落としてプランクポーズのような体勢によくなっている。あっけらかんとした表情でその体勢に入るが、やはりきついのだろう、少し時間が経つとウ~ウ~とうなり始める。起きている時間の多くはその繰り返しだ。数秒目を離すだけで結構な距離を移動しているときがあって、実はハイハイしているんじゃないかと疑いたくなるが、おそらくまだ後ろ向きに進んでいるのだと思う。びっくりした表情を見せるとニタぁと笑う。目を離した隙に移動するのは確信犯か。
 
昨日は1つ驚いたことがあって、哺乳瓶を自分の手で持ちながら飲み、飲み干したら哺乳瓶をそのまま離した。今日はまた哺乳瓶を妻が支えながら飲んでいたが、ある程度ミルクが少なくなれば1人で持つことができるということだ。
数日前には顔が布団で隠れていたので驚いてすぐに布団をはがそうとすると、その瞬間自分で布団を持ち上げ、顔を見せて、また例のごとくニタぁと笑う。確信犯か。いたずら好きか。
 
赤ん坊は日に日にできることが多くなってきている。しかし、できることが多くなれば負担が減るかといえば決してそうではなく、むしろどんどん増えていく。いまは未経験ゾーンだが、ハイハイもできない今はまだ序の口で、ハイハイをし始めれば今の大変さでは済まないことは簡単に想像できる。
 
きっと、あっという間にハイハイをし始めることだろう。ハイハイができるようになったら、それが当たり前になる。もう元に戻ることはない。成長するということはそういうことだ。少なくとも赤ん坊の成長とはそうだと思う。不可逆。ハイハイをし始めたら、今のダウンドッグのようなポーズはもうしなくなるかもしれない。哺乳瓶を手で支えてあげるのも、あと数えるほどしかないのかもしれない。寝たままの時期を抜け、ハイハイ期に突入するまでの過渡期。初めて寝返りしたときのことや初めてハイハイをするときのことというのは後になっても覚えているだろうが、赤ん坊自信が必死に次の段階に進もうとしている時期、後から振り返ると何でもないこの時期というのは、思い出す引っ掛かりがないから、なかなか思い出すことはないかもしれない。でも、あのニタぁとする表情、ウ~ウ~とうなりながら必死に進もうとしている姿は、とてつもなく可愛いものなのだとここに書いて残しておきたい。