Life Itself

生活そのもの

2019/09/26

アメリカに滞在していたのはもう17年前のことで、現在も継続して連続をとっているのは、ホストファミリー以外では1人の友人しかいない(もっともFacebook上で繋がっている友人たちはいるが、ただ繋がっているだけで交流することは全くない)。

2人連絡を取っているうちの1人はゴルフの部活が一緒だったことがきっかけで仲良くなったのだが、もう1人ゴルフの部活が一緒でよくつるんでいた友人がいた。その友人は僕の2歳下で、言葉数が少なく大人しいが歳の割にすごく落ち着いていて、妙に気が合った。部活期間が終了してからも、その2人とはよくゴルフをしに行っていた。

アメリカから日本に帰国してから3年後にまたアメリカに行った。現在も仲良くしている友人に連絡を取ってゴルフに行くようにしたのだが、もう1人の友人はおらず、2人でゴルフをすることになった。ちいさな町で、高校を卒業した後は大きな都市に出るのが一般的だったからその友人ももうその街にはいないのだろうと思っていたのだが、なかなかその友人の話にならない。どうもその友人の話をすることを避けているようだった。おかしいと思って何度もしつこく聞くと、その友人は死んだということを聞かされた。

死んだのは、僕が日本に帰国して1年半後くらいだったようだ。病気ではなかった。高校のトイレの中で薬をやっているところが見つかり、その日、自宅へ帰っておじいさんの銃で自殺をしたとのことだった。

今回ホストファミリーと会って、その自殺した友人の話にもなった。とてもとても小さい街なので、彼の自殺直後には結構な騒ぎになったようだった。誰もその話をしたがらない。ホストマザーもホストファザーもその友人の話になると、言葉に詰まっていた。

その友人のことは毎日ではないけれど、1年に何度かは必ず思い出す。自殺したことを聞いたときはとてもショックだったし、そのことを考えるといまでもショックだが、だからと言って彼とゴルフをし話をし、仲良くしてくれた過去が変わるわけではない。とても懐かしく思う。彼は僕のカートの運転があまりにも危なっかしいので、きっと運転免許証は発行されないと思うよ、と言っていた。彼の予想ははずれ、僕は運転免許証を手に入れた。今ならレンタカーを借りてアメリカを回ることだってできる。だが、彼に会うことはもうできない。彼が生きていたら、と強く思う。大人になってから酒を交わしてみたかった。