Life Itself

生活そのもの

2019/09/11

保育園に娘を迎えに行くと、はっきりとは聞こえなかったが、「今日◯◯君と抱き合ってましたよ」と言われた。抱き合っていた?はっきりとは聞こえなかったから、もしかしたら◯◯くんではなく、◯◯ちゃんだったかもしれないが、◯◯『くん』だったことはほぼ確信に近い(そもそも女の子と抱き合っても、先生はわざわざ報告してはこないだろう)。

◯◯くん。抱き合っていた君が誰であるか僕は知っているぞ。

◯◯くんは、くだんの娘が髪をむしり取った、娘とほぼ同じ月齢の男の子だ。髪をむしり取ったその日、男の子は娘を遠ざけていたように聞いていたが(そりゃ当たり前だ。ごめんなさい)、その後仲直りしたのか、それをきっかけに仲良くなったのか、とにかく距離が縮まったらしく、よく先生から◯◯くんの話を聞くようになっていた。 最近では、朝には「◯◯くん、Uちゃん(娘の名前)がきたよー」、そして迎えに行くと、「◯◯くん、Uちゃんが帰るよ、寂しいねー」。髪をむしり取ったにもかかわらず、娘と仲良くしてくれていると聞いて、僕はとても嬉しかった。保育園には娘と月齢が近い子があまりいないから、娘とほぼ同じ月齢で、ほぼ同じ成長具合のその男の子は、娘にとってもきっと大きい存在のはずなのだ。

その男の子はとてもかわいい子だ。朝にはニコッと挨拶してくれるし、夕方にはバイバイとも言ってくれる。キラキラした目のとてもとても優しそうな男の子なので、僕に挨拶してくれるたびに、娘が髪をむしり取ってゴメンよ、といつも思う。

しかし、しかしだ。抱き合っていた?それって恋仲じゃあないのか?娘は家でよくキスをするから、恋仲だとしたらキスするのも時間の問題ではないか?初キスが1歳?いくらなんでも早すぎやしないかい?

「抱き合う」ということばから、余計に考えすぎている。きっと、娘と男の子にとってはハグ程度のものなのだろう。それでも僕が知る限り、娘にとって、僕ら大人以外のヒトとみずから肌を触れ合おうとした初めての日なのだと思う。遊んで、と頼んでいるではなく、遊ぼう、と誘っているのだ(誘っている?)。ほぼ同じ月齢の友人に(かつ異性に)。異性だろうが、同性だろうか関係ない(そうかな?)。娘にとってはこれも大きな一歩なのだ(と思おう)。