Life Itself

生活そのもの

2019/08/24

夏休みは終わってしまったが、夏休み期間中に何か特別なことをしたわけではなかった。ただ通常の休みの日の行動を5日間続けただけである。 この5日間、家族でたくさんの時間を一緒に過ごすことができた。娘ともたくさん遊んだ。今朝は娘が機嫌良く遊んでいて構って欲しそうにしているのに家を出なければならないことがなかなか受け入れられず、電車ギリギリの時間に家を出ることになった。昨日、娘が高熱だったからなおさらである。

会社に行ってしまえば溜まった仕事を粛々と片付けていく他なく、時間はどんどん過ぎて行った。夏休みで疲れが取れはしたが、昨夜寝る時間が遅くなってしまって寝不足の状態だった。昨日寝る時間が遅くなってしまったのは、いま読んでいる本を読み進めることを止めることができなかったことが原因だった。午前中は、昼休みに本を読むことを楽しみに頑張った。

いま村上春樹の本にハマっている。数年ぶりだ。村上春樹の小説は、物語の力の強く、一度読み始めると立ち止まることができない。物語の力は強いが、テレビや映画のようにただ受動的に物語と一体化することはなく、物語の中に入り込みながらも発見と認識と思考が生ずる。読んでいるときのスピード感は、体感としては町田康の小説と同じくらいだ。 数冊同時読みすることが多いからか、僕は大抵の小説はゆっくり、じっくりと読む。だが、町田康村上春樹の小説はそれを許さない。村上春樹がこれほどまでに受け入れられることの一つには、この先に進まないスピード感にあるように思う。 村上春樹の小説を読んでいると、本来備わっていながらこれまで気づくことがなかったエネルギーに気づいて、どんどんエネルギーがみなぎってくる感じがする。本を読むことでエネルギーを消費するような感覚は全くない。 村上春樹の小説は魅力的だ。だが、読み終わった時の喪失感は凄まじく、春樹ワールドから抜け出すことができずにひきずってしまう。次に読む本もなかなか見つからない。魅力的だとわかりながらも、本棚から村上春樹の小説を取り出すことがあまりないのは、春樹ワールドにどっぷり浸かってしまうことが少し怖いからだ。『羊をめぐる冒険』を読み終わって、今は『ダンス・ダンス・ダンス』を読んでいる。次は『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読むか、まったく別の作家の本にするか。まだ決めることができていない。

19時過ぎ。自宅の最寄り駅に着き、家まで歩くまでの間、外気はひんやりとしてとても気持ちが良かった。雨が降ったせいだろうか。半袖では少し寒いくらいに感じたが、その寒さが新鮮だった。こんなときは1枚羽織るのではなく、その新鮮な寒さを半袖で感じたい。フジロックで雨が降った日の夜を思い出す。 夏の終わりが少し見えてきた。