Life Itself

生活そのもの

Dr. John逝去

Dr. Johnが亡くなった。6月6日だったという。近年は体調があまり優れなかったようでツアーも止めていたようだったが、死因は心臓発作だったようだ。突然のことで驚いた。


おそらくは多くの人と同じように、Dr. Johnことマックレベナックのことは、ラストワルツを通して知った。最初見たときは、アクの強い歌声とコロコロと鳴らすピアノ、そして紫だかピンクだかキラキラした格好をしていて、なんなんだろうこの変な人はと思った。胡散臭そうなおじさん、それが第一印象だった。それからラストワルツに出ていた全ての人を聴いていったが、多くの人と同じように『Gumbo』を聴いたことでそれからの音楽人生がガラッと変わった。Metersやネヴィルブラザーズ、フェスなどのニューオリンズ音楽、ラストワルツにも出ていた同じくニューオリンズ出身のボビーチャールズ、アラントゥーサン....後追いではあるが、ニューオリンズにこんなにも豊潤な音楽があることを知って、そこからスタックス系のソウルやブルーズ、それからアフリカ音楽やキューバ音楽などを聴くようになった。


『Gumbo』を聴いたあとに大瀧詠一や細野さんの『泰安洋行』を聴いたときにはぶっ飛んだ。日本の音楽にこんなにもかっこいい人たちがいることを知ったのは、それがぶちかっこいい音楽であるとわかったのは、Dr. Johnの『Gumbo』をちゃんと聴いていたからだと思う。Dr. John経由の大瀧詠一細野晴臣がきっかけとなって、それから日本の音楽を聴き込むようになった。Levon Helmは、細野さんの『泰安洋行』だったか、トロピカルのどれかを聴いて、それをアメリカの友人に勧めていたそうな。


ついこの前の山下達郎のラジオで、ラストワルツで演っていた『Such a night』が流れて、山下達郎がドクターの真似をしながら「サッチァナィト」と言っていて、それがすごく似ていた。高田漣さんの新譜『FRESH』のジャケットの構図が『iko iko』と似ていた。『FRESH』は素晴らしいアルバムだ。そんなこんなで最近Dr Johnの名前を目にすることが多くて聴き直そうかと思っていたところだった。


悲しい、寂しいなぁ。


 


Dr. John - Such a Night