Life Itself

生活そのもの

王舟と中原昌也の作業日誌で仕事も楽しくなる

土曜の仕事はいつも時間に追われるので、だからこそ意識が仕事だけにとらわれならないように、ラジオでスポーツ中継や音楽番組を聴いたり、これまで聴いたことがない音楽を聴くようにしている。まぁ、単純に脳のどこかでおサボりの状態でいたいというだけのことだ。


で、野球があるときは大体野球を聴いていることが多いのだが、今日は雨で一時中断の時間が長くてSpotifyで音楽を漁ることにした。漁ると言っても、たとえいい音楽であっても聴きたい気分のときとそうでないときがあって、聴きたい感じの音楽を漁ることができるのはよほど運がいいときのこと、もし漁ることに失敗したら気になっているバンドのソロアルバムなんかを聴くことになる。今日は漁ることに成功した。僕にとっては大物だった。
王舟という人。まだあまり調べることができていないのだが、上海生まれ日本育ちらしい。男性。アルバムを通してではなくて、おススメされている曲を上から聴いてみただけなのだが、ボサノヴァ的なものもあれば、打ち込み的なものもあるし、フォーキーなものもある。幅が広い。あくまで僕が受けた印象だが、フォーキーなものはHappy Traumのような雰囲気があって、聴いていると時間が長く豊かになる感じがある。ことばはどうであれ、僕が好きな感じ。ドストライクだった。それだけで、時間に追われる仕事も楽しくなるもの。途中しんどくなったが、今日は楽しく仕事ができた。


楽しく仕事ができたもう1つの要因は、数日前から中原昌也の『中原昌也 作業日誌 2004→2007』(2008、株式会社boid)   を読み始めたからだと思う。 これがとにかく面白い。昼休みにこの日誌の数日分を読むだけで完全に仕事がオフモードになる。昼休みを満喫できる。オフモードにしたければ、この本を読めばいい。完全にオフモードになるのに、昼休み明けにはすんなり仕事に入ることができる。目覚めの良い朝のような感じだ。帰りの電車で読んだ下記の箇所で吹き出しそうになった。30ページ、2004年4月20日の日誌の一部分。


 昼に起きて機材置き場に目を向けると、また大きなゴキブリが死んでいた。ガムテープを買ってきて、それを紐のように垂らして死骸をキャッチしてゴミ袋に何重にもくるんで捨てた。ここまでの作業に1時間はかかった。昨日もまた廊下に1匹死んでいたのを思い出した。        

「ガムテープを紐のように垂らして」って、僕にはそんな発送はきっと思い浮かばない。本を読んで吹き出すのを堪えたのは久しぶりだった。吹き出すのは堪えることができたが、たぶん顔は普通に笑っていた。気持ち悪く思われてもどうでもいいよ。