Life Itself

生活そのもの

赤ん坊に「ちょうだい」

赤ん坊はいつのまにか新しいことができるようになっているから、いつも驚かされる。今日も昼過ぎくらいからいきなり唇を震わせて、バイクのエンジン音のようにブンブンブンと音を出した。これまでやったことはない、やりたそうにはしていたかもしれない。やったのは今日の昼過ぎが初めてである。それから赤ん坊はその音を発するのが楽しくなったらしく、ずっとブンブンブンと音を出していた。


それから。今日は夕方くらいに芝生で遊んでもらおうと公園に行った。最初は少し戸惑っていたものの、一度芝生に触るとその感触を思い出したのだろう、芝生を掴んだりちぎったりして夢中になって遊び始めた。もっともっと自然に触れ合ってもらいたいと思っているから僕ら親は微笑ましい気持ちでその姿を見守っていたのだが、しばらくすると赤ん坊はちぎった芝生の葉を僕らの目の前に差し出した。どういう意味なのだろうと思っていたのだが、妻が「ちょうだい」と手を出すと、その上に葉を置いた。僕も「ちょうだい」と言って手を持っていくと、同じようにくれる。赤ん坊はいつのまにか他人に何かをあげるということを知っていたのである。いや、あげたのではなく、単に渡しただけなのかもしれない。赤ん坊がもっと執着を持っているだろうおもちゃや絵本であれば「ちょうだい」と言ってもくれないかもしれない。だが、それでも自分の手にあるものを他人に渡すことができるようになったなんて、大きな成長ではないか。そんなに成長しているとは思っていなかった。


明日は10ヶ月検診である。赤ん坊の体に心配事とまではいかないまでも、いくつか気になっていることがあるので、この機会に医者に聞いてみるつもりだ。いろいろとできることは多くなっているけれど、怪我なく病気なく成長してくれることをただ祈るのみだ。