Life Itself

生活そのもの

2018/11/27

平野啓一郎の『決壊』を読み終えて、少し重い気持ちを抱えた状態で次に何を読もうか迷ったのだけれど、積読にしていた堀江敏幸の『その姿の消し方』を読むことにした。
今年は赤ん坊が産まれたこともあって『なずな』を立て続けに2回読み、その後すぐに『河岸忘日抄』を読んだ。どちらの小説も、その物語を読んでいる時間は特別なものになっていた。日常に寄り添いながらも、その日常の中に特別な時間を刻んでいた。特に『なずな』ほど人生に彩りを与えてくれた小説も今までにない。『なずな』の物語は僕にも妻にも、今でも寄り添っていて、僕らの子育てを励ましてくれている。
で、『その姿の消し方』だが、昼休みの15分程度の間しか読んでいないが、とてもおもしろい。『決壊』は先が気になって次々とページを進めたくなる小説だったが、『その姿の消し方』は今日読んだところだけでも3つの詩が出てきて、何度も戻っては詩を読み返し、少し先を読み進めるといった感じで、1ページ読み進めるには時間がかかるが、本の世界に入っている時間は長く、濃い。しばらくの間、この物語とともに生活できることを嬉しく感じている。
 
明日から1泊2日で実家に帰省する。片道約1時間半のドライブで、赤ん坊には負担がかからないか、実家に着いてからも何も問題なく過ごすことができるか不安ではあるけれど、初めての旅行だ。不安な気持ちになっているとその気持は赤ん坊にも伝わるだろうから、楽しい気持ちで1泊2日を過ごしたいと思う。母は赤ん坊と最後に会ったのが1ヶ月少し前。あれから大きくなっているし、だいぶおてんばになっているが、会わせるのが楽しみだ。