Life Itself

生活そのもの

2018/09/18

昨日の『Youは何しに日本へ』で、余命1年と宣告された男性が11歳の息子を連れて日本を旅する姿を追っていた。 男性はとても明るくしていて、とても余命1年のようには見えなかったけれど、癌による痛みもすごいようで、日本滞在中の2週間の間に何が起こってもおかしくないと覚悟の上での旅だったようだ。11歳の息子にいろいろなものを見せてあげたい、経験させてあげたい、人とのつながりを残してあげたい、最後に思い出を共有したい、そんないろんな思いが男性の言葉や表情から溢れ出ていた。男性は本当に笑顔が多く、家族だけでなく、番組スタッフにも気を配っていて、テレビを通してその明るい姿を見ていると、こちらが逆に元気をもらった。おそらく番組を見ていた人で、僕のように彼の姿から元気をもらった人は多かったのではないだろうか。
 
山本KIDさんの訃報。格闘技を見ない僕にとっては、顔を知っているくらいの人だったけれど、格闘家の武蔵がインスタグラムにあげていた山本KIDの写真を見てとても切なくなった。いつ撮られた写真かはわからないけれど、まだ小さい赤ん坊をしっかりと抱きかかえていた。とてもいい表情をしていた。格闘家としての彼はよく知らないが、とても面構えがいい人だという印象がある。
その後、山本KIDさんのインスタグラムをのぞいたら、子どもと一緒に撮っていた写真がたくさんあった。小さい子どもを残して逝くのはどれだけ無念だっただろうとは思うが、写真から子どもたちと多くの楽しい時間を過ごしていたのだということが見て取れた。その時その時で精一杯子どもたちと向き合い、楽しんでいたのだろう。
 
健康的な生活をしていても、癌になることはある。最近、癌で余命宣告を受けている幡野広志さんの本を読んでいるタイミングで、昨日の『Youは何しに日本へ』や山本KIDさんの訃報に接して、自分がもし癌になったらということを考えている。癌になって、僕1人で死ぬ分にはいいだろうが、妻や幼い赤ん坊がいる、家族がいる。僕の性格からして、癌になったらきっと自暴自棄になる。人にあたる。妻や両親にあたる。妻や赤ん坊に何を残してあげられるだろう。
癌にならなくても、急に事故で死んでしまうかもしれない。いつ死ぬかなんて本人含めて誰にもわからない。僕ができることは、今、妻と赤ん坊がいるこの家で、2人と一緒に時間を過ごす。できるだけ多くの時間を過ごす。これくらいしかないのかもしれない。今僕が死んだら赤ん坊は絶対に僕のことは覚えてはいないだろうけれど、父親としてできるかぎり側にいてあげたい。記憶として残らないとしても、彼女の顔を見たいし、僕の顔を見てもらいたい。妻も含めて3人で笑いあいたい。