Life Itself

生活そのもの

大音量『The Last Waltz』

昨日はKBCシネマで『The Last Waltz』の大音量上映会があった。ライブのように拍手や私語もOKとあったけれど、観ている人の年齢層も比較的高いせいか、ほとんど私語はなくて、ところどころで笑いが起きて、僕含めて体を揺らす人がいるくらいだった。

 

そもそもThe Bandが活躍していた時代にはこの世に生まれてさえいなかった完全に後追いの僕にとって、『The Last Waltz』を映画館で観るのは1つの夢であった。後追いとは言え、幸運なことにWoodstockでLevon Helmのライブを観ることができたし、日本でGarth Hudsonのライブだって観ることができた。それでも、5人のThe Bandとしてのライブは観てみたかったと思うものだ。僕より上の世代の音楽好きな人の中には、たまにThe Bandのライブを観たことがあるという人がいて、とても羨ましく思う。The Bandも2人しか残っていないわけで、叶うことのないことをグダグダと言っても仕方のないことだが。

『The Last Waltz』には、解散ライブとは言っても、円熟期のThe Bandのライブ映像を観ることができる。Richard Manuelのコンディションが良くないことは残念ではあるけれど、ライブ以外の場所で彼が話すシーンはとてもチャーミングだ。

 

映画館の大画面で観て改めて感じたことだけれど、この映画の中のLevon Helmはとにかくカッコ良い!ライブはもちろん、話す姿もカッコ良い。男臭くて、色気があって。Levon Helmの自伝では、この映画のことはあまり良く書かれていなくて、特にトークシーンではずっと機嫌が悪かったらしいが、だからなのか一層男臭さが増している気がする。『Ophelia』では、Levonがドラムをしながら歌う姿をドアップで映されているが、ドラムを叩くときの肩の動きだとか、歌うときの表情だとか、歌に入る前の表情だとか、人間臭さが溢れている。

 

この映画の見どころはたくさんあるけれど、昨日映画館で観て個人的に印象的だったのは、Dr.JohnVan MorrisonBob Dylanだった。なぜかはわかならないけれど、Dr.Johnの『Such a night』は家で観るよりずっとセクシーに感じた。Van Morrisonはまさに大音量向きといった感じだ。Bob Dylanは大画面で観てもとにかくイケメン。ノーベル賞をとってそればかりが話題になるけれど、一度この時期のBob Dylanをの姿を若い女性にも観てほしい。イケメンと言われているアイドルや俳優よりもずっとカッコ良いから。

 

昨日の『The Last Waltz』は先行上映で、6月30日からまた1週間ほど上映されるらしい。その時期はちょうど妻の出産時期にあたるので、観に行くことができるかわからないが、可能であればまた観に行きたいと思う。

若い人で、もし今回の上映で初めて『The Last Waltz』を観る人がいるとすれば、それはとても羨ましいことだ。今後映画館で観る機会もそうないはずだから、観たことがない人はぜひ観てほしいと思う。