Life Itself

生活そのもの

2018/05/31

赤ん坊が産まれると外食が難しくなるので、今のうちに外食しておいた方がいいと母に言われた。今夜は行きつけの洋食屋で食べた。
福岡には美味しい店が多くて、赤ん坊が産まれるまでに行きたい店がいくつもある。ある程度優先順位をつけなければ、あとで後悔することになりそうだ。
 
あっという間に5月最終日となった。時間が経つのが本当に早い。この半年の時間の貴重さはわかっているつもりだったが、果たしてよい時間を過ごせたか。物欲をはじめ、色々な欲と折り合いをつけながらの半年だったようにも思われる。少しは我慢を覚えることができただろうか。まだ欲を優先している方が圧倒的に多いようにも感じる。父親としての覚悟はあるのか。自問してもわからないが、まだきっと十分ではない。
 
今週の「Youは何しに日本へ」で、日本人と結婚して日本に住むたしかリトアニア出身の男性が、父親になるまでの過程を追っていた。妊娠安定期を過ぎた頃、その男性は子どもを迎えることに不安、興奮が入り混じった複雑な感情があるようなことを言っていた。その後、出産が近づいていくにつれて、父親になるには自分は変わらなければならないと、焦りの感情を持ってもがく姿が映し出されていた。仕事を手に入れたり、料理を覚えたり、父親になための本を読んだり。僕はそれを見て、自分自身に呆れてしまった。途中までは、父になるということは皆同じような感じなのだと呑気に感情移入しながら見ていたのだが、リトアニア人の男性が必死に変わろうとしている姿を見て、僕は自分自身がほとんど何も変わっていないことに気づいた。未だに料理はできないし、沐浴の仕方だって全然わからない、何をしているのだろう。今日、仕事している途中に、赤ん坊を落としてしまう光景がふと頭をよぎった。か弱い命を迎える準備はできているのか。言葉ばかりが先走って、心や体は実のところその準備はできていない。
 
どうする、あと1ヶ月しかないのだぞ。いや、1ヶ月もないかもしれない。今さらなんてことは言葉にするな。意志を持て、今からでも遅くはない、焦ってはならない、前に進むのだ。
 
大林宣彦は、映画に携わることを夢見る学生たちに向けて「ゆるキャラだけにはなるな」と言っていた。父親もゆるキャラではいけないだろう。