Life Itself

生活そのもの

2018/04/18

ずっと行きたいと思っていたカレー屋『manoma』にようやく行くことができた。これまでもイベントで数回行ったことはあったのだけれど、人も多く、カレーを食べることができていなかった。

今日は僕と妻以外は誰もおらず、ゆっくりとカレーを食べて、店内に置いてある古本を見ることができた。カレーはスパイスがほどほどに効いていて食べやすく、とても美味しいカレーだった。他のどこで食べたカレーとも違う感じだったが、毎日食べても飽きることのないような優しい味だった。食後に飲んだチャイもまた美味し。

 

店内に売ってある古本も色んなジャンルがあって見ているだけで面白く、今回は田中小実昌の文庫本『乙女島のおとめ』を購入した。田中小実昌の本は見つけたら買うようにしているのだけれど、どこに行ってもなぜかそこそこ値段がする。今日見つけた本は400円とお手頃な価格だった。

 

カレーを食べて、良い古本を見つけて、それだけでも行った価値はあったのだけれど、manomaで一番気に入ったところはその空間だった。古本屋でカレーを食べることができる店にしては物が少なく、カウンター以外のテーブルは1つしかない。僕らはそのテーブルに座っていたのだけれど、おそらく引き戸式と思われる玄関が開けっ放しになっていて、心地よい風がずっと流れてくる。店内には音楽が流れているが、同時に風の音も聞こえるし、音楽が何も邪魔することなくその空間全体と調和している。昼間でも少し暗いの店内には、玄関から程よい日光が入っている。

チャイを飲みながら、妻とほとんど何も話さず、そして何も考えずにただそこにいたのだが、本当に気持ちよかった。いつでもそこにいたいような感覚だった。瞑想状態と似た感覚と言っていいかもしれない。タイのチェンマイにいた時のような、フジロックでのErnest Ranglinのライブのような、どこにも無理がなくただ自然体の、それでも気持ちが緩やかに高揚していく、ただ心地のよい空間がそこにはあった。