Life Itself

生活そのもの

毎日聴くLonesome Strings

最近、よく聴いているLonesome Strings。

このバンドには個人的に思い入れがあって、6年半前福岡に引っ越してきてから最初に人に紹介してもらったバンドだった。今でも通う美容室に初めて行った時に、カット中に音楽の話しをしていると、その話の内容を聞いていたオーナーさんから「君が好きそうな服屋があるから、紹介してあげる。今から行ってみてください」と唐突に言われて、行った先の服屋でかかっていたのがLonesome Stringsだった。この服屋さんはかなり変わっていて、営業をしていても普段は店に鍵をかけて、ノックしないと中に入れてくれない。だから、紹介経由でなければなかなかその店のことを知ることができないし、初めての人でも入れてくれるとは思うけれど、店に入るためにノックをしなければならないなんて普通は思わないから、店にたどり着いても戸惑うことになる(と思う)。その時はまだ関西にいた今の妻がその時たまたま福岡に遊びに来ていて、美容室後に合流して一緒に行ったんだと思う。その服屋さんのブランドは福岡発のブランドで、数百年前から百年前くらいまでの服を熱心に研究してそのエッセンスを取り入れて、モダンに仕上げているかなりイカしたブランドだった。確か行ったその日に一着購入したんじゃなかったか。

お店の方も美容室のオーナーからあらかじめ音楽好きだという話を聞いていたみたいで、服を見ながら色んな音楽の話をした。その時に、店にいるときはずっとLonesome Stringsを聴きながら作業をしているということを聞いて、初めてこのバンドのことを知った。「Lonesome StringsのCD焼いたのがあるからあげる」と店を出る時に、Lonesome StringsのCDをもらった。

その年にLonesome Stringsは一気に人気が出て、中村まりさんと一緒にやった『Folklore Session』が発売されたときには結構話題になったように記憶している。その時の全国ツアーに行けなかったことが今でも心残りだ。2012年にベースの松永孝義さんが急逝して、今でもバンドは存続しているけれど、前ほど活発な活動はしていない。

 

その服屋さんでは、たまに違うときがあるけれど、行くたびにLonesome Stringsをかけている。1日中ずっとだ。服屋さんはずっと聴いていても飽きないと言っていたように記憶している。僕も音楽は好きだけれど、さすがにずっと毎日同じものを聴いていると飽きてしまう。でも、つい先日思い出したようにLonesome Stringsの音楽を聴いて、数年前に聴いた時と感覚が全然違うことに驚いた。数年前は少し背伸びしている感じで聴いていたのが(聴くたびに渋いなぁと思っていた)、より自然な状態ですっと音楽が耳に入ってくる。こんなにすっと入ってくるのであれば、もしかしたら毎日聴いても…。音楽だけを聴いていても素晴らしく感じるが、書きながら、小説を読みながら聴いたときにも、その世界を邪魔せず、でも決して世界に同期もせず、自然に耳に入ってくる。

 


Lonesome Strings and Mari Nakamura「Some Happy Day」