Life Itself

生活そのもの

Soul to squeeze

たとえこんなブログであっても毎日書くと決めているので、帰路に就くと今日はどんなことを書こうかと少し考える。今日は家に到着する寸前に書くことが決まった。書く内容が決まっていると何となく気が楽だ。晴れ晴れとした気持ちで家のドアを開けた。

 

iPhoneに入れている曲をシャッフルして音楽を聴きながら帰路を歩いていた。家に到着する直前に流れたのが、この曲だった。

 


Red Hot Chili Peppers - Soul To Squeeze [Official Music Video]

 

この曲は今でこそベストアルバムにも入っていて簡単に聴くことができるが、僕がアメリカに行く2002年の時点ではシングルでしか発売されていなかったからCDとして聴くことは難しかった。確かMTVかSPACESHOWER TVだったかと思うけれど、レッチリの特集があって、そこでこのPVが流れた。聴いたことがない知らない曲だった。その時、この曲とPVにひどく衝撃を受けて、アメリカに行く直前だったけれど、行くまでの間、地元の色んなCDショップを覗いては探すことを繰り返した(当時はまだCDショップがたくさんあった)。シングルのCDを手に入れることはできなかったが、それでもどうしてもアメリカにこの曲を持っていきたかった僕は、その時祖父から高校の授業で使うようにと貰ったボイスレコーダーに自分の鼻歌でこの曲を吹き込んだ。もちろん(ヘッタクソな)鼻歌を聴いたところで曲の雰囲気を味わうことはできない。アメリカに行った後も、CDショップに行くたびにこの曲が入ったCDがないかを探した。残念ながら日本に帰国するまでにCDを買うことはできなかった。

 

この1曲をCDで聴くことをどれだけ待ち望んだか。前述したように、この曲はベスト・アルバム『Greatest Hits』に収録された。発売日は2003/11/18と書いてある。帰国してからたった3ヶ月だ!待ちに待ったCDだったからすぐに入手したはずだけれど、帰国して間もない時期に発売されていることに驚いている。この曲を手に入れるために、僕は日本で探してアメリカに行っても探して、それでもなくて。3年くらい待って手に入れるよう感覚だが、帰国してからそんなにもあっけなく手に入れていたのだ。

 

今聴いてもこの曲は最高だ。PVも。歌詞はドラッグ中毒に立ち向かうような内容だと思うけれど、PVを観ながら聴くと僕はフェリーニの『道』を思い出す。『道』は大好きな映画だが、『道』を初めて観たのは大学生の時だったから、『Soul to squeeze』を聴いた後ということになる。『道』をこれほど好きになったのは、『Soul to squeeze』のPVを初めて観た時の感覚を思い出したからなのかもしれない(こう思うほど『Soul to squeeze』の最初の衝撃はずっと尾を引いているのだと思う)。もっとも『道』と『Soul to squeeze』の共通点といえば「白黒」と「サーカス」と「道化」くらいなもので、そこに相似を見出すのは安易だとも思うし、『Soul to squeeze』関係なく『道』は『道』だけでとんでもなく素晴らしい映画であるに違いないのだけれど。

 

でも、未だに『Soul to squeeze』のPVを初めて観た時の感覚が忘れられなくて、その時と同じような感覚をどこかで追い求めているような気がする。アメリカにいた当時にYoutubeがあればいつでも簡単に聴くことができたんだろうけれど、探すことも待つこともなく簡単に聴くことができていたらまた違ったのかもしれない。『Greatest Hits』の発売日が2003/11/18というもまた絶妙なタイミングだ。このタイミングのせいで1年以上も探し続け、待ち続けたのだけれど、そんな曲は『Soul to squeeze』だけだ。

 

書く内容が決まっていたのに今日は上手くまとまらなかった。そんなものだろう。当時の思いを思い出して、気負って書いてしまったのかもしれない。