Life Itself

生活そのもの

2017/11/20

「ノンフィクションW 坂本龍一の700日 ~MUSIC, ART & LIFE」を観た。

2015年にWOWOWのドキュメンタリー番組として放送されたもので、先日再放送があったので録画しておいた。

 

坂本龍一は自然そのものが出す音というものを探求していて、北極の氷河の穴の中に音を拾う機械を入れて「水の中で爆発音が聴こえた!」と言ってみたり、樹木の生体電位を計測する機器で取得されたデータを音楽化して『フォレストシンフォニー』というプロジェクトを始めたり、そういった様子が、癌を患った前後の時期を通して撮られていた。

 

「樹木の生体電位を計測する機器で取得されたデータを音楽化」するというのはよくわからないけれど、日本だけでなく世界各地で樹木の音をとっていて、それぞれの音を出している様子を少しだけ聴くことができた。木によって音が全然違っていた。同じ種類の木ではないはずだし、場所も異なれば気候も異なる、その時の状態も関係しているはずだ、それでもそのあまりの違いに驚いた。どうも形容しがたい音で、あるどこかの木は僕が感じる耳鳴りとよく似た音を出していると思った。親しみを感じるのと同時に、その「生きている感じ」に木に対する畏怖を感じずにはいられなかった。地球上にある同じ生命体として繋がりを感じるところもあれば、僕達人間からは想像がつかない領域もあるはずだ。わかったつもりになってはいけないと思う。

 

番組の中で特に印象に残ったのは、バリ島の文化(遊び?)で、飼っている鳩の胴体に人間でも吹くことができる鳩笛をくっつけて飛ばすというものがあって、その音が凄まじかったことだ。坂本龍一は人生で一番衝撃を受けた音だと言っていた。彼がゲストディレクターの立場で携わった北海道の札幌国際芸術祭2014のオープニングセレモニーで同じことをやっていた(坂本龍一はこの札幌国際芸術祭が始まる直前に癌が発覚して、実際の開催期間中には参加していない)。

 

下記のダイジェスト映像の4:20あたりか少しではあるけれど見ることができるので、興味があったらぜひ確認してほしい。

 


札幌国際芸術祭2014ダイジェスト映像

 

坂本龍一のことを調べていたら、いま「Ryuichi Sakamoto: CODA」というドキュメンタリー映画がやっているのか。だからこのタイミングでの再放送なのか。KBCシネマでやっているみたいだから、観に行こう。